日本ではマイナーだけれども、宗教改革から始まる
中世から近世への扉をこじ開け
大きな軍事革命の端緒となった「フス戦争」のお話です
表紙のシャールカちゃんの可愛さとは裏腹に、宗教戦争の持つ
ファナティックな面もちゃんと描かれておりハード路線です
この作品を読んで一番に感じるのは、戦争が人や集団を大きく
変えていくという現代性でしょう
女子供でも銃を持てば戦える=戦闘員と見做され
容赦されないということでもあります
自分たちの信仰や、生命そのものを守る為に必死で戦う内に
必要に迫られて集団は否応なく変質していきます
そしていつしか欧州最強となった自分たちの主張を
外へ輸出するようになって行きます
虐げられる側から虐げる側へ
守る為に戦っていたはずなのに、戦乱で故郷は荒廃し
戦陣で生まれ育った子供たちは集団が故郷になっていく
終わらない戦争と破壊に疲れ、集団は穏健派と過激派に分裂し
最後は互いに殺しあうようになる
時も場所も違えど、人間世界ではよく見られる光景です