さすが日本におけるファンタジーの第一人者の原作、作画はいがらし先生と、作品としての完成度はまずまず高いです。ただし好き嫌いは分かれそう。
栗本薫先生の小説『グイン・サーガ』という架空の王国の一代記の中の一つのエピソードなので(正確には小説の舞台より何世代も前の話)、世界観はしっかりしているものの、これからもっと壮大な話が始まるのかな、というところで終わってしまう感じです。
また中世をモデルにした架空ファンタジーにはありがちですが、現代の価値観からみると勝手すぎる登場人物たちに感情移入できない、過酷な宿命が当たり前なのが後味が悪い…など、優しい登場人物とハッピーでいい話に癒されたい人には全く不向きです。
それでも大丈夫で、ゲームオブスローンズなどが好きな人なら結構このファンタジーな世界を楽しめるのでは。万人には勧めないけど個人的には好きな作品です。