飲み食い特に自炊のB級グルメについてのこだわりと思い入れは読んでいて好ましく楽しい。「美味し!」に説得力があり自分でも紹介された簡単なレシピを試してみたくなる。
だが日本の社会情勢、経済、政治、文化に関する説教めいた自説はいただけない。分析が的外れでうすっぺらく、一般化が非常に粗雑で、単純な論理破綻もままある。要は「わしが嫌いなもんはすべてダメなもんじゃ!」という単なる好き嫌いの域を出ていない。
飲み食いの描写の楽しさとそれ以外の自論のダメっぷりのギャップがはなはだしく、その点でビミョーな読み応えのある漫画だと思う。