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『誰でもないところからの眺め』のレビュー

本当の意味で怖い漫画に出会った印象。なぜならこれは「フィクション」という形式を借りて描かれた「ノンフィクション」作品だったからだ。「自分(私)」とはいったい何なのか。震災によって、人も、街も、時代も、社会も、常識も、空気も、幸福も、人間の認識しているもの全てはいつも次の瞬間に破壊と消滅により終わり得るものだと(嫌でも)実感した時、人やら街やらを目にし耳にし肌に感じした情報から形作られた「自分」という存在は、本当は何の実体もない存在は、いったい何になってしまうのだろうか…? 生まれ変わりも、死後の世界も、神も存在することが出来ない「無」。震災による破壊は、別に住宅や、警察署や、病院を人間ごと破壊消滅させたに止まらない。それは世界のあらゆるものに意味を感じる「人間性」をも人間の中から流し去ったが、この作品ほども人間性に起因する「意味」が物理的な「無意味」へ変換させられた事実と、その痛み、混乱を、適切に描いたものは恐らく他に数少ないのではないかと思う。ただ他の方のレビューにもある通り、その描かれたテーマがあまりにも根源的すぎて非常に伝わり難いとは断言できるだろう。
2021年11月21日
なんだかよくわからない。 東北のではないが私自身も被災者だが、震災被災者が集団で異常行動するような作品にするのは、なんというか、被災者ビジネスとして扱われてるようでいい気はしなかった。 作者の書きたかったことがあとがきに書かれていたがそれを読んでもいまいち納得行かない。
2021年6月20日
かなり怖い作品です。巨大地震後、日常に戻りつつあった人々に対して、徐々に広がる異常行動。自分の意識はあってもそれを抑止できない恐怖。精神の均衡を野生の本能が凌駕する様を見ているようだった。ただ、被災者の方自身は不快に思うかもしれないので、おすすめしない。
2021年6月14日
日常の崩壊。想像を絶する恐怖と絶望が自分と周りを襲ったら、人はどうなるのか。「生きる」という大きなテーマを扱った意欲作なのだけれど、実際の震災と絡めてしまったのは失敗だと感じた。震災後の街とはっきり定義されると、壊れた人たちの認知症的挙動や衝動的性行為に嫌悪感を感じてしまう。もっと抽象性の高い描き方にすることで、人物たちの行動原理や感情を「記号」として受け取って吟味することができたと思う。そこが作者の狙いだろうと思うので、残念。
2021年5月24日
震災被害者を揶揄しているように見えて不快だった。みんながみんな壊れて奇怪な行動をしているわけであるまいに。後半の性描写とか必要?復興に向けて頑張っている人が読んだらどんな気分になるか。恐怖心や不安の表現とは到底思えない。久々に心底嫌な作品に出合った。
2021年3月25日
なんでホラーとしてこの作品を読んでる人がいるのか…正直、理解ができない。読解力というか…なんというか無知?無関心?呆れる。 震災当事者ではないので共感は難しいが、本当に辛い経験だったんだな、と思う。災害はいつ起こるのか分からない。明日は我が身だと思ってこのお話を他人事として読んではいけない。ただ、読むのはメンタル的にしんどいので精神的に辛い人は無理して読まないことをおすすめします。
2021年3月17日
怖かった!スプラッターとかでないのに恐怖を感じる
2020年4月11日
静かに壊れていく町の住民たち、どこかで救いの手がありますように
2020年4月11日
わけわからん
2019年3月2日
終盤に至るまでは3.11以降の空気の中で認知症(のような状態)が伝染していく生々しいホラーとしてこの上なく恐ろしかった。 老人たちが口にしていた「逃げる」は何を意味するのか。東北?日本?社会?私? 車で山へ向かうのはいいけど、その後どういう生活送るのかが気になる。というか到着して終わりはちょっとモヤモヤするなぁ。今後の創作でテーマは引き継がれる部分があるのかもしれないけど。
ネタバレを含みます
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2018年11月17日
段々と壊れていく日常、自分が自分じゃなくなっていく怖さ。描かれるのは結末ではない。下手なホラーより恐ろしいもの。 ぼのぼののいがらしみきおだ!と思って読むとやられるよ。
2018年8月29日
311後、余震やPTSDに悩まされる人々の崩壊と再生。 人々が言語を喪って「何処か」へいく過程は寓話のようで、理屈なき生がひたすら存在しているだけ。 絵柄やストーリーやキャラクターが魅力的というタイプの作品ではないのでとっつきにくいかもしれないけれど考えさせられる。
2018年6月20日
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