『片々草紙』のレビュー
アメリカに、オー・ヘンリーという作家がいた。庶民の暮らしの哀切を描いた短編を多数残した。「最後の一葉」、「賢者の贈り物」などの作品を覚えている人も少なくないはずだ▼このマンガは、日本版・マンガ版のオー・ヘンリーと言っても褒めすぎにはならないのではなかろうか。どの作品も、人生の陰影がくっきりと描かれている。余韻を残したオチの付け方などは、オー・ヘンリーよりウマイとさえ感じるほどだ▼ちょっと、つげ義春的な物語も感じられて叙情性もあり、じっくりしっとり世みたいマンガ。
2023年4月26日
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2
ままならない現実。それが些細なことであればあるほど、落ち着きないまま心は彷徨う。見返られることもなく行き先を無くし、日常の中にたゆたい続ける違和感。この作品は、そうした感覚を鋭敏に描きだしている。泣くほどでもない、笑うほどでもない。ただぼんやりと、自分の中に留まり続けるこの気持ちとは何なのか? それと改めて向き合うかのように、ゆっくり読める作品と思う。
2023年1月1日
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3
どれもなんとも言えない雰囲気があります。結構好きです。どんどん読み進めることができました。
2022年5月1日
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0
感嘆するほどに人物描写が巧みな作者です。日常の風景を細やかに切り取り、心の機微を捉え、思わぬ形で印象深く表現する感性が本当に見事です。少年期、夫婦、男女、若くても感じるものがあるでしょうけれど、酸いも甘いもをそれなりに経た大人の琴線に触れるゆっくりと沁みるものばかり。話毎の扉絵もシンプルながら目を引くものがあり、暫く眺めてからページをめくっていました。銀杏や氷、亀や蟻など身近なものが効果的に登場し、明日から近くの水のない川、鴉でさえも違った思いで眺めてしまいそうです。
2021年8月23日
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167
深い人間洞察と意表を突く視点、実に完成度が高い漫画で素晴らしい。そこいらのドラマよりずっと面白い!
2020年6月2日
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7
物語としての盛り上がりには欠けるもののまずまず読まされる
2019年7月8日
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1
どれも切ない、でも何となく美しい物語ばかりの短編集です。大人の人には是非読んでほしい。
サムネイル(表紙?)からは内容のイメージが全く沸かす読もうという気が起きないせいで未読の人が多いのでは。非常に勿体無い。
2019年6月1日
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286
日々の小石のような一瞬を切り取った切なく懐かしいショートストーリー集。好きです。
2018年11月2日
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22
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