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『木根さんの1人でキネマ』のレビュー

大の映画好きな三十代OL(レビューブログ運営中)が、映画にまつわる個人的な感想や思い入れを語る作品。 主人公の真知子は強烈なキャラクターで気に入らない映画は容赦なくこきおろし好きな映画はべた褒めする。そのテンションの高さたるや凄まじく時には下ネタやお下品なスラングすら交えて罵倒する。 その怖いものなし言いたい放題っぷりが痛快!人の顔色をビクビク窺って無難なレビューに逃げるより、好きなものは好き、面白いものは面白いと、誰を敵に回しても言いたいことを叫ぶ姿はいっそ突き抜けて気持ちがいい。 「私はただ自分が面白いと思ったものを面白いと思ってほしかっただけなのに」 レビューサイト運営者のみならず、Amazonに感想を投稿しているなら、だれでも真知子の学生時代の体験に思い当たるのではないだろうか。 たとえそれがどんなにマイナーでマニアックでも、あるいは悪趣味であったとしても、「それの何が悪い!私の好きなもの万歳!私の好きなものサイコー!」と主張する真知子に自分は一種の憧れを感じてしまった。表現はやや過激かもしれないが根底にあるのは深い映画愛、趣味にかける一途な情熱だ。 知ってる映画や好きな映画が取り上げられると嬉しいし、真知子や佐藤と一緒になって共感したり怒ったり、趣味に生きるって楽しかったんだなと思い出させてくれる。 映画は一人で見ても面白いが、その面白さを分かち合う人がいれば、楽しさが倍に膨らむ。 自分が面白いと思ったものをもっと大勢に知ってもらいたい、好きになってほしいという衝動は、きっと誰にでも経験あるのではないだろうか。 後々出てくる真知子の後輩やスターウォーズ大好き上司トリオ、高校時代の旧友たちも面白い。30代半ば(推定)という微妙な年齢なので、結婚や老後のままならさも映画に絡めてたびたび話題に上り、同年代の読者は非常にフィードバックしやすい。 映画好きならぜひ食わず嫌いせずチャレンジしてほしい。
2019年12月20日
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