『殺し屋人別帳』のレビュー
人間を取り巻く時間とは、産まれて、生きて、死んだ後さえ一瞬も休まず過ぎるもの。だから私たちは、立ち止まる事、自分の姿を顧みる事も出来ないままに不完全な判断をし続ける。故に意固地さも、無節操さも、救いをもたらすことはありえないと。人の心には、そんな脆さが有るのだと、描かれた佳品。ただ表現のメインは物語部分の方にあるので、テーマ部分は分かり難さも感じられた。
2023年1月7日
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作品のタイトル通り、この『殺し屋人別帳』は作者の作品の中では裏社会に生きる人間を題材にした作品だね。裏社会に生きる人間を題材にした作品である故に、暴力や殺人の描写は少々多い。ただ、その描写のグロさやえげつなさは特別濃くない。作品に収録されている話は一話一話が完結という形だけど、話のほとんどはダークな感じだね。それ故に明るい作品でない。作者の作品でハートウォーミングを求めるのならば『サト子は町の子』を読んだ方が良いね。
2021年9月8日
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