これは凄い。民俗学に真摯に向き合いながら,それをエンターテインメントに昇華させていて,ちゃんと面白い。▼
おそらく作者は秋田県在住で,出てくる神様も多くが秋田県(あるいは東北近県)に材を取ったものが多く,そこに郷土愛を感じる。他方,秋田に閉じているわけでなく,日本中,いや世界中の神様が登場するし,また地元の神様を贔屓するわけでもない。▼
独自の体系論に基づいてそれぞれの神様たちの能力を理論的に構築し,ストーリーの中に散りばめている点も興味深い。いわばこの作品は,娯楽作品であると同時に,民俗学の論文のようなものでもあるように思う。▼
まだ完結していないが,現時点でも既に★4の評価は十二分にある。最終的な評価は完結後改めて。