96~97年に連載された女子格闘技を描いた作品。女子プロレス以外にまともな女子のプロ格闘技がなく、男子総合格闘技も黎明期であった時代としてはかなり攻めた題材と言えるのではないか。現代から見ると格闘描写に粗削りな面はあるものの、時代を考えればむしろかなり先駆的と言ってもいい気がする。
ストーリーは『はじめの一歩』や『エースをねらえ』などを彷彿とさせる王道スポ根もの。弱虫だった主人公が努力を重ねて栄光を掴む、という手の物語が好きなら期待を裏切られることはないだろう。
話の展開に御都合主義感が拭えない箇所はあるものの(例:前半の宿敵の犯罪行為に対する贖罪描写の欠如、トーナメント8人目の正体やその実力、など)、少年漫画的な熱さは十分ある。女子格闘技ものが好きなら読んでおいて損はないはず。