岩明均先生の短編集。デビュー作[ゴミの海]を含めた6編と、描きおろし1編からなる。こうやって改めて読むと、岩明先生は完全に「栴檀は双葉より芳し」タイプとよく分かる。一つの作品としては未だ弱さもあるとは言え、一読すれば何らかの描写なり、モチーフなりが、強烈な印象となってまっすぐ気持ちへ迫って来る。だから凄く面白い。何れもデビューしてまだ3~4年以内に描かれた作品とはとても思えない。初読では地味さを感じる人もいるかもしれないが、それでも漫画にドラマ性を求めるなら、その読み心地に満足が得られる作品たちと言えるだろう。